[単独] 文在寅、日本の読売新聞への回答で、韓国人拉致被害者に関する質疑を削除し波紋

「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」関連の質疑を受けたという事実と400名と推定される韓国人拉致被害者(拉北者)に関する内容を含む質疑があったという事実を全て隠蔽

信揆楊 記者 shinkyuyang@hanmail.net 2018.05.09 13:09:54

韓日中の首脳会談のために9日に訪日する文在寅が、日本の最高有力紙である読売新聞との単独書面インタビューに応じた。8日早朝、韓国大統領府は読売新聞のインタビューにおける質疑内容を削除し、答弁内容だけを公開するという異例の立ち回りを見せた。


本紙の取材によると、読売新聞インタビューに対して、韓国大統領府は文在寅の立場が困難にならざるを得ない内容を含む質疑を受けたという事実自体を、全て隠蔽したことが確認された。大きな波紋が不可避と思われる。隠蔽した質疑は、▲「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)に関する質疑を受けたという事実、▲400名以上と推定されている韓国人拉致被害者(拉北者)に関する内容を含む質疑を受けたという事実である。

読売新聞は8日の早朝6時、オンライン版において、▲核なき半島、具体案が重要…文氏回答の全文1、▲日韓協力、歴史問題と別に…文氏回答の全文2、▲就任1年、平和の礎築けた…文氏回答の全文3、という記事を掲載し、文在寅へのインタビュー内容を質疑込みで全文公開した。



読売新聞の文在寅への質疑内容の中で最も重要な内容は、CVIDに関する2番目の質疑と韓国人及び日本人拉致被害者に関する5番目の質疑である。

「◆ Q2 ◆ 北朝鮮は、かつて国際社会と「非核化」について合意した後、約束を破って再び核開発に走る行動を繰り返してきました。国際社会が求める北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」は可能であると思われますか。」


この質疑に関して文在寅は、金正恩が国際社会の要求を正確に理解しているとし、次のような事実上的外れな回答をした。

「前述した通り、全世界が見守る中で生中継された南北首脳会談で、私と金正恩委員長は南北首脳間で最初の完全な非核化と核のない朝鮮半島を実現するという目標を直接確認しました。

同時に、金委員長は北朝鮮の核実験場を5月中に閉鎖することと、これを公開する方針を明らかにし、これは朝鮮半島の完全な非核化への展望を明るくする意味ある措置だと考えます。

勿論、米朝首脳会談がまだ開催されてもおらず、非核化の具体措置が担保されていない状況での性急な楽観は禁物でしょう。しかし反対に過去に北朝鮮との核問題協議が失敗に帰結したからと言って、今日の協議も失敗するだろうという悲観論に陥れば、何もできないはずです。

金正恩委員長は国際社会の要求を明確に理解しています。私は米朝間の信頼を強化し、合意に至られるよう可能な限り全ての役割を果たす所存であり、その過程で日本をはじめとする国際社会の主要関連国とも緊密に共助していくつもりです。」


同盟である米国が北朝鮮に対してPVIDまで要求しているにも関わらず、韓国の首脳がCVIDについての答弁を回避し、金正恩と板門店宣言で合意した曖昧な主張だけを反復している。


読売新聞の5番目の質疑は、日本人拉致被害者に対する質疑だが、読売新聞は400名以上と推定される韓国人拉致被害者(拉北者)問題も共に言及した。読売新聞は「拉北者」の意味は「北朝鮮に拉致された人」という説明まで付け加え質疑した。

「◆ Q5◆ 日本では、北朝鮮による日本人拉致問題が大きな問題となっています。日韓首脳会談の中で安倍総理から大統領へ協力を要請するものとみられています。韓国でも400人を超える拉北者(北朝鮮に拉致された人)がいるということですが、日本人拉致問題において大統領のご協力を期待してもよろしいでしょうか。」


読売新聞は明らかに、具体的な韓国人拉北者の数字と拉北者の意味まで言及し、韓国人拉北者問題についても共に答弁を求めるヒントがある質疑を投げかけた。それにも関わらず文在寅は、単に日本人拉致被害者問題に関してのみ協調するという答弁を出した。

「拉致被害者問題が日本政府と国民にとってどれほど重要な事案であるかをよく理解しています。この問題を重視する安倍総理からの要請も受けましたが、何よりも人道的次元の問題であるため、これまでこの点について北朝鮮側に提起してきました。金正恩委員長との首脳会談の席でも、直接この問題について再度話しました。

拉致被害者の問題は、長い間、日朝間の難題として残っており、この問題の解決については日本国内の悲観論も高いものと理解しております。しかし慎重かつ積極的な姿勢で対話を続ければ、解決の糸口を探せるものと見なしております。

振り返れば、これまで北朝鮮の核問題を含む北朝鮮の態度の変化についても悲観的な展望が優勢でした。しかし、絶え間ない対話努力を通じ、平昌冬季オリンピックにおいて小さな平和の流れを作り、南北首脳会談では北朝鮮が完全な非核化と恒久的平和定着に合意しました。

何よりも、持続的な対話を通じ、日朝間懸案が解決され、長い歳月に渡り拉致被害者家族を苦しめている痛みが治癒されることを願います。そのために日本政府と共に引き続き協力していく所存です。」


文在寅は韓国人拉北者問題と日本人拉致被害者問題を韓国と日本が共に解決していこうという、韓国大統領として当然すべき答弁をしなかった。

文在寅の今回の訪日は、実に6年ぶりの韓国首脳の訪日である。訪日を控えた時点での、日本最多の発行部数(2017年基準880万部)を誇る新聞媒体との単独インタビューである点を踏まえ、文在寅と大統領府が答弁に非常に気を遣ったであろうことは十分に推測できる。

ひと言で文在寅は今回の読売新聞インタビューを通じ、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」と「400名以上と推定される韓国人拉北者問題」については全く関心がないという意思を明らかにした。

日本の国民は、今や文在寅の立場を明確に知る事となった。しかし、文在寅を大統領として選んだ韓国国民だけが、彼の思惑を全く分かっていない。大統領府は世論操作を一切躊躇せず、主要マスメディアは無批判的に政権に同調しているため、当然の事とも言える。

一国の大統領が自国民(韓国人拉北者)の生命権等を露骨に軽んじる意思を表し、その他の自国民がそれに気付かぬように質疑内容を削除し、操作を行ったという点で、文在寅の今回の読売新聞インタビュースキャンダルは、彼が弾劾される時に、重大な事例根拠の一つと見なされるだろう。


「メディアウォッチ」(MediaWatch, http://mediawatch.kr)は2009年、韓国の権力化された主流従北親中左派言論への強い問題意識に基づいて創刊された「抵抗的少数派(dissent)」媒体です。科学、学術、歴史分野における専門性も高く、特に外信においては韓国の主流従北親中左派言論による各種歪曲報道は勿論のこと、彼らが検閲し続けている日本の反共右派、産経の観点(米国の場合はWSJ, FOX NEWSの観点)を翻訳し、集中的に紹介している韓国唯一の媒体でもあります。 


 

信揆楊 記者 shinkyuyang@hanmail.net


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